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ゆずこんぶおいしい

アイドルのもつ一瞬の輝きと永遠の力について考えるblog

2009年のシゲ。加藤シゲアキの物語を読む。

まだまだDIAMOND LIVE(2009年)をみた衝撃は続いております。衝撃その1、その2はこちら↓

いまさらLIVE DIAMOND(2009)を見て、「小山慶一郎は二人いる」と確かに思う。 - ゆずこんぶおいしい

小山キャスターの中に2009年のチャラ慶はまだ住んでいるのか。 - ゆずこんぶおいしい

DIAMOND LIVEにおさめられているMCのシゲいじり、見るのが辛かったです。私が人をイジッてとる笑いが苦手なこともあるけど、シゲの顔はイジッてもらってオイシイor嬉しいと思ってるとはどうしても見えなくて。不本意ながらイジラれキャラを演じてる(演じ切れてないけど)シゲ。これを当時のシゲ担の人はどう見てたのかなって。

 

ところで、私には小学校にあがる前の息子がいまして。体も小さく泣き虫で、同じ年頃の子に比べて幼いところが多く、なかなか子育てに悩んだりするわけです。そんな時にある人に言われたのが「今は、他の子にできてお子さんにはできないことが目立つ時期。でも、お子さんにできて他の子にはできないことが絶対あるはず。まだお子さんははじけてない状態。いつかきっとはじける時がきますよ」ということ。なるほどと思いました。2009年のシゲ(加藤成亮)は、まだはじける前の状態だったんだなーと。

 

はじける以前のシゲ

山Pに比べたらスター性もない、亮ちゃんに比べたら人気もない、まっすーに比べたらダンスもできない、手越に比べたら歌唱力もない、小山に比べたらトーク力もない。そう、ついつい他のメンバーと比べ、「NEWSで一番居なくていいのは俺だ」と、シゲが一番好きってファンの子のことを「同情」と感じるほど卑屈になっていたシゲ。2009年のシゲからは、自信の無さからくる卑屈さと不安定さがにじみ出ています。顔立ちはいいのに、わざと変顔を作ったりお笑いキャラを演じてみたり。シゲwwウケるwwwってメンバーやファンに笑われることでNEWSでのポジションをかろうじて保っていたシゲ。

 

そんなシゲも、2010年ごろからの微妙なNEWS内での変化(つまり山Pと錦戸さんがNEWSを辞めたがっているということです)を感じ、いままで保留にしていた問い『このままじゃいけない、俺がNEWSにいる意味ってなんだ?俺にできることってなんだ?』と向き合うこととなります。2010年はシゲ23歳。年齢的にも大学を卒業して社会人として岐路に立つことになります。

 

2010年、シゲ自分を見つめなおす。

しかし、仕事を増やしてもらうにしても「自分の個性」がなければ難しい。そこでシゲが考えたのが小説を書くこと。以前よりシゲ文才あるよとよく褒められていたことや、仲の良い嵐の大野さんが絵を描いていたことが影響したそうです。そしてうまれた「ピンクとグレー」。2012年1月に初版が発行されたこの小説について、2年後の2014年2月、文庫本のあとがきで加藤シゲアキはこう振り返っています。

右も左も分からないまま書きあげた作品だけど、ページの中に当時の感情や書きたいものが渦巻いていて、自分の中に内在する何かを書くことにぶつけていたように思います。それは若さであり、青臭くもあるけど、だからこそその時にしか書けないエネルギーを詰め込むことができていたのでしょう。

 

「ピンクとグレー」を読まれた方なら同意して頂けると思いますが、この作品は中盤以降どんどんと筆の勢いが増して読者を引き込んでいきます。それはシゲが自分の内面を見つめ、書き進めるごとにエネルギーを放出していく過程と等しいものです。書き終わったシゲは自分を解放できた気分になったのではと想像します。

 

ジャニーズの携帯サイトで連載していたこともあり、小説を書いたこと自体は周りに驚かれなかったシゲ。半笑いで「小説書いたんだって?」と「さぞかし笑わせてくれるんでしょうね」というノリで言われることが多かったそうです。同じく文庫本に収められたインタビューの中でこのように語ってます。

 

笑顔で「ぜひ、読んでくださいよ」と返しましたけど、心の中では(痛い目みるよ)と思ってました(笑)。書いているときも、それと同じような気持ちで、いままでの自分を壊したい。変わりたいと思っていました。いままで芸能界で仕事をしてきて迎合してきた部分もなかったわけではないから、一回自分を壊してみよう。小説を書くことで自分で自分を探してみたかったという気持ちもありましたね。

 

そして、「ピンクとグレー」出版後もシゲは努力を怠ることをせず、他に3冊の本を出します。

余談ですが、「だれでも1冊は本が出せる。自分のことを書けばいいだけだから。小説家になるかならないかはそのあと書き続けられるかどうかだ。」と聞いたことがあります。もしシゲの本が1冊だけであったら、今シゲは小説家の肩書を持つことはできなかったでしょう。

 

2015年ついに、はじける。

ピンクとグレーを書いたのが2011年の春ごろ、それから4年たち、2015年シゲはついにはじけます。

処女作が映画化され、シゲ単独でTVレギュラーを持ち、4作目の著書がドラマ化されます。そしてそのドラマの主題歌にNEWSの新曲があてられます。2015年の年末にFNS歌謡祭で「ヒカリノシズク」披露するNEWSをみて、昔からのファンの人は感動したことでしょう、シゲがセンターにいる!って。ファン歴の短い私でもグッときました。2009年のあのシゲからは想像もできない姿でした。しかも歌詞もまるでシゲにあてて書かれたような内容で。

 

映画「ピンクとグレー」が封切られ、「ヒカリノシズク」がリリースされたことで、加藤成亮から加藤シゲアキへ移り変わる物語はいったん幕を下ろしたように思います。この「成亮からシゲアキ」の物語は、ジャニーズファンならずとも誰でも琴線に触れさせ、加藤シゲアキのファンにさせる力があります。それは誰しもあてはまる普遍的な物語だからです。私含め、シゲの姿に勇気づけられる人はとても多いと思います。

 

ジャニーズというリア充の権化のような場所にいながら、どこか存在を近くに感じるシゲ。シゲが楽しそうにしていると嬉しいとメンバーやファンに言われるシゲ。シゲがみんなに愛されるのは、彼が人間くさく完璧ではないことと、自分の道を見つけるために努力してきたこと、そして自分の弱音や悩んだ過程を人にさらけ出せる素直さと性格の良さのせいだと思います。

 

そういう目で見ると、2009年のシゲも、このころはシゲの中に可能性のマグマがふつふつと静かにでも確実に沸いているんだな、と思えてどのシゲもとても素敵に見えてくるので不思議。少年期~青年期に幕を下ろしたシゲがこれからどのような顔を見せてくれるのか楽しみです。そしてこのシゲの物語が(彼の書いた小説と同様に)もっとたくさんの人に読まれて彼のファンが増えていけばいいなと思います。

 

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おまけ。2009年のコヤシゲは俺たち共同体だよね、と確認しあいつつ慰めあってる感強い。