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ゆずこんぶおいしい

アイドルのもつ一瞬の輝きと永遠の力について考えるblog

私が選ぶ、作詞家・三浦徳子先生の傑作歌詞10選

前回、三浦徳子(よしこ)先生についてまとめてました。ながーいキャリアを持つ偉大な方であることは伝わったと思いますが、三浦先生の歌詞の魅力はまだまだ語りつくせない、、ということで前回載せられなかった曲分を含めて、私の独断で決める三浦徳子の歌詞10選です。ルンルンルルルルンルルルルンおっととっとー!

 

1.モニカ(1984年)作詞:三浦徳子/作曲:Nobody 歌:吉川晃司

ナベプロを経営危機から救った吉川晃司のデビュー曲。渡辺晋社長自ら陣頭指揮をとり、映画と歌同時デビューを果たした時に選ばれたのが三浦先生。ロックバンドNobodyの曲に、FMステーションの表紙感というか、鈴木英人感というか【80年代シティロックポップス】としか形容できないこの感じ!(ピンと来ない方は、FMステーションまたは鈴木英人で画像検索してみてください、なんとなく伝わると思う)

サビで繰り返される、「Thanks, Thanks, Thanks, Thanks, モニカ」をセックスセックスセックスセックスと替え歌するのは、性に目覚め始めた小学生男子の当時のデフォ。三浦先生、もしかしたら狙ってやってるかも。独特の歌唱で字幕が無いとほとんど何言ってるか聞き取れない(びょんねっちょにはめぇのおひょ、きゃせっとぉかっきけったのにょ 訳:ボンネットには雨の音、カセットでかき消したよ)けど、吉川晃司の勢いは非常に感じる。三浦先生の歌詞の特徴である「ことばの意味は分からんがとにかくすごい自信だ!」と若き吉川晃司の魅力がさく裂した名曲。トシちゃんマッチに飽きてきた層が新興の吉川・チェッカーズに大量流れていったのもこの頃。

 

 

2.ス・ト・リ・ッ・パ・ー (1981年)作詞:三浦徳子/作曲:沢田研二/編曲:伊藤銀次 歌:沢田研二

検索避けみたいなタイトル。内容もまぁストレート。サビは「朝でも夜でも真昼でも 恋はストリッパー」「春でも秋でも真冬でも 愛はストリッパー」、要は、早く服脱いでチョメチョメしようぜ!ってことです山城新伍的に言うと。2番では、「嘘を脱ぎ捨て罪を脱ぎ捨て」「未来を脱ぎ捨て明日を脱ぎ捨て すべてを脱ぎ捨てたらおいで  弱いところも見せちまえば 綺麗に変われる」と妙に説得力を増していき、(そ、そうかな)と思わせ、ラスト「おれのすべてを見せてやる お前のすべてを見たぃぃぃぃーー!」とジュリーに絶唱されれば、まぁ脱ぐでしょ普通の女は。これも三浦先生の持つ歌詞の力。

それにしてもこの時代の日本人って野性的だったんですね。こんな曲が普通にヒットしてたんですから。

 

 

3.シャワーな気分(1983年)  作詞:三浦徳子/作曲:筒美京平/編曲:大村雅朗 歌:田原俊彦

名作というより怪作といったほうが相応しいのは、裸でシャワーに打たれ体を洗いながらトシちゃんが歌う(しかも生放送)という、80年代前半の放送コードどこ?!なパフォーマンスの印象が強すぎるからかもしれない。当時のトシちゃんが持ってた陰な感じの暗いエロス(私的見解)を感じなくもない。

QUEENの「バックチャット」という曲をパクリの名手流行の洋楽サウンドを紹介するのに長けた筒美京平先生がそのまま用い、原曲の「back chat, back chat」を「だけ、だけ、君だけが好き」と当てる三浦先生のセンスが大好きです。同じ「やろうぜソング」でもジュリーとトシちゃんだとこんなにアプローチが違うのか!という発見もあり。この曲の中でトシちゃんは終始「シャワーしようよ、素直な気持ちでさ」とシャワーシャワーと押さえきれない下心で、「くちびる、ディープしたいよ」と要求するとんでもないエロ男です。このトシちゃんに当時のガチファンが果たして湧いたのか、気になるところです。この曲、最後が「シャワー...」って体言止めで終わるのもイイ!吹かずに聴いて下さい。前年の三浦先生作詞『ラブ・シュプール』は普通に名曲ですので合わせてどうぞ。

 

 

4.大きな森の小さなおうち(1980年)作詞:三浦徳子/作曲編曲:馬飼野康二 歌:河合奈保子

アイドルのフレッシュなデビューに相応しいメルヘン調の曲。と思いきや『本当は恐ろしいグリム童話』ばりに恐怖を覚える歌詞。実はこれ、処女性と女性器の暗喩なんです。「誰も見たこと ナーイナーイナーイナーイ 誰もさわってナーイナーイナーイナーイ」とおのれの処女をアピールし、「秘密のお家に続く道」への「鍵をあげるわ 真心の鍵」と男に促し「小さなおうち」の快適性をアピールするという......。三浦先生ってほんとに怖い女性。河合奈保子さんは歌が非常に上手で、元々アーティストな資質をお持ちでした。しかし、肉感的な体と可愛らしい顔を見込まれ、今でいう萌えアイドルっぽい売り方で展開。当時の女性アイドルはあからさまに性的なイメージを押し付けられなんだか気の毒です。でもこの曲、鍵をあげるのは私と、主導権は女性が握ってるところが三浦先生らしい。そして、ナーイナーイナーイナーイに後世のセクゾのトンチキに繋がる資質を感じます。

 

 

5.ONLY MY LOVE (1980年)作詞:三浦徳子/作曲:小田裕一郎/編曲:信田かずお 歌:松田聖子

ここまで見てくると、三浦先生ただのエロじゃん!って気もしてきますが、はい、真打聖子ちゃんです。

この曲は聖子初めての壮大な歌い上げ系バラード。「You are only my love, my love, my love 愛は自由な空の翼 あなたと今この道歩いていきたい」で始まる、ひたむきさを感じる歌唱は感動的。アルバム収録曲ですが人気があり、今でもコンサートでよく歌われるそうです。この曲は聖子ちゃんからファンへのメッセージソング的な立ち位置らしく、何度も繰り返される先ほどのフレーズは、聖子ちゃんが50代半ばを迎える今だからこそ、ものすごい重みを感じます。一緒にこの道歩いてきたね...。私は明菜派だったのでカウンターとして聖子はあえて評価しないように子どもの時はしてたんですが、改めて観ると(間違いなくこの子売れる!)というとんでもないパワーを10代の聖子ちゃんに感じます。2番の「私の中眠ってた愛に 火をつけてゆく そうねプライドを捨てても欲しいと言える それが若さの力よ」という歌詞も、三浦先生の本質を見極める力に脱帽。メロディーも良くて覚えやすいので一度聴くとその後何十年にも渡り、ふと口からサビが出てきてしまう名曲。

 

 

6.夏の扉(1981年)作詞:三浦徳子/作曲:財津和夫/編曲:大村雅朗 歌:松田聖子

出だしの「かーみーを切ったわたーしにっ ちがうひーとみたいとぉー」で即、ハイ来たこれ名曲!と分かります。爽やかさと疾走感とキラキラが全て詰まった、アイドルの夏の楽曲のお手本。海沿いのカフェテラスでレモンスカッシュにレモン浮かべて飲みたくなる。松田聖子のシングルにおいて、現時点では三浦先生作詞の最後の曲でもあります。三浦先生時代って意外と短かったんですね。2番の「車が通りすぎて 二人をわけていく あなたは道の向こう側 何か叫んでる」っていうストーリー性もイイ!!

この曲のキモである「フレッシュ!フレッシュ!フレッシュ!」畳みかけですが、同じく三浦先生作、シブガキ隊の『処女的衝撃!』(1983年、ちなみにバージンショック!と読む)でも「ショック!ショック!ショック!バージンショック!」と使われてて、キャッチーなサビを、、と考えた時に三浦先生が取りたくなる一手なんでしょう。

 

 

7.今日はありがとう(2012年)作詞:三浦徳子/作曲:Takuya Harada他/編曲:佐藤泰将 歌:SexyZone

The超直球タイトル。2012年にこのタイトルで曲をリリースできるのはセクゾしかいない!

これも聖子ちゃんの『ONLY MY LOVE』同様、ファンへのメッセージが込められていて、「一緒にいてくれてありがとう」って気持ちを伝えたいだけの曲。でも、すんごい可愛いんですよぉ。例えば、「きみがそばにいるだけで おやすみな感じで ありがとうって言える」「ありがとうって言うたびに やさしくなれるんだ この胸いっぱい泣きそうになるのはなぜなんだろう?恋してる?」って、もうヤダ可愛すぎるーーー泣。こんなシンプルな言葉で恋する気持ちを表せるなんて、、三浦先生天才。

「このまま海の底 もぐっちゃっても 一日中泳げそう Kiss me sweet  くるりダンスして 青に染まってく 奇跡が起きている」って詞も好き。意味わかんないけど、なにか初々しい感激が伝わりますでしょ? この歌の簡素な歌詞から、ことばの持つ力を感じずにはいられない。

それにしても『ス・ト・リ・ッ・パ・ーと同じ人の歌詞とは、三浦先生のふり幅には驚かされます。

 

 

8.ぶつかっちゃうよ(2014年)作詞:三浦徳子/作曲:Scott Kingston他/編曲:鈴木Daichi秀行 歌:SexyZone

前回も書いたので省略しようかと思ったのですが、この曲の持つ強力な磁場が私を捉えて離さないので...!

イントロはなく、急に「ルンルンルルルルンルルルルンル、、、、」と始まる曲。大げさでなく、「ル」が ゲシュタルト崩壊。ずっと見てるとルが分解されて「のれんのれん」って見えてきて笑いが止まらなくなるの含め、電波系ソングの名作。これに詞を、と渡されこの詞を書きあげる三浦先生の能力に震えが止まりません!何度か聴くと、「か、片想いソングなのかな....?」とうっすらと内容を把握できるような気もしてきますが、恋心満載のハートが彼女にぶつかっちゃうよ!って気持ち悪いスレスレ。健人君が自ら「すきだバカ」に変更した冒頭のセリフ、三浦先生の案では「あぶないよ!」だったらしく、それはそれでヤバい。

「I love you キミキミキミキミダーケ ギミギミギミギミGive me your heart  ミーギ 右 右 ミーギを見て、ついで僕を見て」....怖楽しい。あとこの曲の歌詞打ち込んでると精神的にも肉体的にもすんごい疲労を感じるので、その点でも三浦先生の年齢にそぐわないアクティブさに尊敬の念を抱きます。

それにしても『今日はありがとう』と同じ人の歌詞とは、以下略。

 

 

9.笑ってよ(1990年)作詞:三浦徳子/作曲・編曲:馬飼野康二 歌:光GENJI

詞も神、曲も神、編曲も神、歌唱も神、と一神教の人に怒られそうなほど神を連発したくなる名曲。

この曲、タイトルと歌詞見ただけじゃ(切ない系ラブバラードかな)って思うんですけど、曲聴いてビックリ!ノリノリダンサブル。タララララン~と華麗なピアノの旋律から、急に「いきっを!とめてっ!ラブアゲイン!」と力強く始まるのがたまらない。思わずほんとに息を止めるぐらいビックリします。馬飼野先生お得意のサビ出だしからの切ないメロディー。うまく説明できないのですが、「これ!これが馬飼野メロディ!」って思う瞬間が度々あります。

で、歌詞なんですが、1990年光GENJIが最後に1位を取ったのがこの『笑ってよ』。三浦先生の歌詞も「ひさしぶりに呼び出されシャワーなんか浴びた」そして「歩道橋の脇をSCHOOL BUSが通るよ」と対照的な言葉を用い、少年と青年の間で揺れ動く気持ちをうまく表現して、今考えると当時の光GENJIたちを象徴しています。「悩んでること知ってたから 電話したい気持ちさえも押さえてた」と言い、「今の君にピッタリくる  短編集 これさ プレゼントするからね 読んでみなよ 答えがあるよ」って言う彼氏。いやー奥ゆかしい。悩んでる時に短編集送られても、、、って気もしますが、携帯も無かった時代の恋愛の醍醐味みたいなものを感じます。切ない。

 

 

10.クリスタル・ユニバース (1989年)作詞:三浦徳子/作曲:都志見隆 歌:光GENJI

まぁ、今聴くと古臭い荘厳なバラードって感じもするんですが、私の中では永遠の名曲。赤坂晃君がソロで歌ってたってイメージがあって、同世代の声変わり前の少年が切々と真面目に歌い上げるバラードに、胸のドキドキが収まらなかったことを昨日のように覚えています。

ソロパート、歌詞割なんか見なくても誰が歌ってるのか分かる!ってアンバランスなバラバラの個性が、「Look at me, and I say 愛しているさ」とユニゾンになると、光GENJIの力強い歌声が少年の真剣さを帯びてグッときます。この曲に書かれた歌詞すべてがシンプルなのに美しく、そこに光GENJIの歌声がのることで一段と言葉に力が入り、心を打ちます。

私が三浦先生の書く詞が好きなのは、1から100まで全部語ってしまわないで、歌詞に余白を残し、歌い手の表現とリスナーの想像力でその余白を補っていくところなんですねー。古き良き歌謡曲っていうのはその部分が大きくそこが良いのですが、セクゾに提供してる詞を見るとその方式はまだまだ有効だと思えて嬉しくなります。

 

 

 以上、私が選ぶ三浦徳子先生の歌詞10選でした!ふり幅が大きい三浦先生ですが、姿勢は一貫してることが分かってますます三浦先生の詞が好きになりました。言葉って面白い!最後まで読んでいただきありがとうございました。