「NEWSに恋して」の石田さんに感情移入しすぎな件について。

今夜のソラシゲで新曲Love Storyを聴いた衝撃が覚めないんですけど、シゲも「初期衝動を大切にしてほしい」と言ってた*1し、いきなりですけど今回のNEWS恋のイベント(加藤さんver.)に対しての私の初期衝動についてお話しますね。

 

石田さん、なんでお見合いを持ちかけた?

てか、石田さんって私?

 

なぜかわからないけど、石田さん(お見合いおばさん)のセリフが私の声で再生されて、ストーリーへの感情移入が絶対間違ってる方向にいきました。すいませんだけど、石田さんの魂を浄化したいので妄想を一席ぶってもいいですか?

 

 

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あじさい、グラジオラス、睡蓮、月見草、浜木綿、ダリヤ、花菖蒲、サルビア....

 

夏の花みたいな人だなって思う。座って反物をパタパタと広げるしぐさも、立ち上がって着物をかけるしぐさも、湿っていて鮮やかな、夏の、梅雨の終わりに咲く花みたい。

 

「担当というとおこがましいんですけど、僕と石田さんは趣味が合うと思うんです。」といって、クリップを器用に使って反物を私の体に沿わせてまるで着物みたいにまとわせてくれる。私の胸元でそっとクリップをとめる、ゆるくウエーブかかった前髪からのぞく長いまつ毛と綺麗な鼻先に毎回一瞬息を止めてしまう。

 

「加藤さん、最初はこんなに手慣れてなかったわよね」と私が話しかけると「やだなーやめてくださいよ。」と照れたように笑って、ほら素敵ですよ?と鏡の中の私に微笑みかける。なんだか急に恥ずかしくなって思わず「加藤さん、お見合いしてみない?」といきなり口から出た。

 

「おみあい~?!」素っ頓狂な声を出した加藤さんは「え?お見合い?なんで?急にどうしました?」と笑いながらきいてくる。そうよね唐突よね、急に変なこといってごめんなさいね!と謝ったあとで、なんだか分からないけど高揚感が生まれてきて、「紹介したい方がいて。加藤さんにピッタリだと思うの!」と、あぁまるでこれじゃお見合いおばさんだわ....と心の中で軽く溜息つきながらどこかで聴いたようなセリフを吐く私がいた。加藤さんは不思議そうな顔をして「はぁ」と言い、彼がその先に繋げる言葉を私は待たず、「えっと、そういうことだからまた連絡しますね。」と言って、そそくさとお店をあとにした。

 

そう言ってしまった手前、連絡しないわけにもいかず、ちょうどお店のお茶会の件もあったので加藤さんに電話をした。

「それでね、こないだの件なんだけど」

「はい」笑いをこらえているような声。

「えっと....」

「お見合い、ですよね。ご自分からおっしゃったのに」電話口からクスクス笑う声が聴こえる。

いつもはガンガン行けるのに何故かうまく喋れなくなって、結局加藤さんと店の外で直接会うことにした。これまでも外で会って事務的なやり取りをしたこともあるので、別に不思議ではない。不思議ではないんだけど。

 

なんかペースを乱される時があるのよね....という気持ちは加藤さんと会って確信になった。

加藤さん、洋装。しかも半袖。白いTシャツのうえにストライプのシャツをはおって現れた加藤さんはいつもの和装とはまったく違っていて、胸がドキンと打った。いつもは白檀の香りがするのに、今日はなんていうんだろう、男性がつけるみたいな香水の香りが漂ってて、思わず「あら、モテ香水の香りがするわ」と言ったら「モテ香水って 笑。言い方」と笑った。石田さんってなんか面白いですよね?急にお見合いしろとか言うし。と鼻で笑う加藤さんに「いやぁ、加藤さんには幸せになってもらいたくって」と言うと「俺に?」と丸い目をさらに丸くする。

 

俺に....?俺ってはじめてきいた....少し動揺してると

「僕に幸せになってもらいたいから結婚を薦めるんですか?へぇ....」(あ、軽蔑してる?今どき結婚なんて、しかも価値観の押しつけ....。うわ、わたし完全におばさん!)と心中でグサグサと刺さってたら、見透かしたかのように、

「別に嫌だっていってるわけじゃないですよ。意外だっただけで。なんで僕なんですか?石田さんの周りならもっと良い人いるんじゃないですか?」と尋ねる。

 

それは、加藤さんの接客みてたら分かるから。売りつけようとしないし、誠実だし、着物に対する愛が感じられるから。とここは真実なので加藤さんに対する褒め言葉がずらずらと出てきた。

はは、ありがとうございます。嬉しいです。と加藤さんは照れ、半袖の腕で後ろ髪を触った。

 

僕は元々プロダクトデザインの勉強をしてたんです。でも、ある時反物売ってるお店に入って。反物って巻いてある状態じゃどんな生地だか見当もつかないんです。お店の人がさぁーって広げたらえー!こんなふうになってんの!ってまずそれにビックリして。そしたらもう素材や織り方や色や柄や、歴史からなんやらもう意味がありすぎて。もともと凝り性のところあるのでちょっと調べ始めたら沼で。気付いたら呉服屋で働いてるし!と笑い、だからあんまり計画性とかないんです、俺。結婚向いてないんじゃないかと思ってて、いつかはするのかな、わかんねぇけど、ってぐらいで。加藤さんはそう言って呼吸を止めて、

 

でも、石田さんにそういうふうに思ってもらえるのは、すごく、嬉しいです。と真っすぐ私を見て言った。

 

私は胸の奥がギューとして、「あら、そんな.... なんだか泣けてきちゃう」と軽口をたたくつもりがほんとに涙がじわっとこみ上げてきた。

 

「石田さん?....え、泣かないで。」そんな加藤さんの大きな瞳もうるうるしてて「うわ、俺、なんか涙出てきたんだけど」とパンツの後ろポケットからハンカチを取り出して顔に当てた。そういうところなの、加藤さん、なんだかほっとけないというか、可愛いというか、妙に隙があって心配になるの。と私も涙をぬぐいながら、心の中で呟いた。

 

ごめんなさい、俺と石田さんの間柄なんで....と加藤さんは言い、その潤んだ目がとても色っぽくて、私はまた夏の花を思い出した。頭の中でそれらの花を浮かべながら、私はどこかさっぱりした気持ちでお見合いについて切り出した。ご紹介したい方は、可愛くて頑張り屋さんで、仕事ができて、派手じゃなくて、まるで着物を支える帯揚げみたいな人よ。「帯揚げ!石田さんの例え独特だなー!」と加藤さんは笑い、ああでもなんとなく伝わります、と言ってくれた。

 

 

その日の夜、加藤さんの夢を見た。

二人とも着物を着てなぜかニューヨークの夜の街を歩いてたら雨が突然降ってきて、閉店したお店の軒先で雨宿りをする夢。立って雨が止むのを待つ私と加藤さんの肩が触れ合った。私の足袋が濡れてしまって、そのことに気付いた加藤さんが「替え、持ってきてます?」ときいてきて、私が頷くと、ひざまづいて私の足をとり、足袋を脱がしてきた。素足になった私の足を持ったまま、加藤さんは新しい足袋を履かそうとして、でもおろしたての足袋だからキツキツで、でも加藤さんは一生懸命に足袋を伸ばして私の足に履かせようとする....そんな夢だった。外国の夜に独特な、オレンジ色の街頭の明かりに照らされた加藤さんの黒髪が雨粒とキラキラ光って。起きた後もしばらく、加藤さんのまつ毛と真剣な眼差しが離れていかなくて困った。

 

 

その後、お見合いは無事に行われ、最初に仲介したあとは特になにもしないでたまに二人から話を聞いていた。どう見てもお互い惹かれあってるのにその意思疎通がまだできてないと知り、ほんとにおせっかいおばさんだな....と自分に呆れながら彼女を加藤さんの呉服店に誘った。着物に着替えて部屋から出てきた彼女を見た加藤さんの顔を目にして、私の心のどこかがチクリと刺した。

 

顔を上気させてお礼を言う彼女と別れ、着物のままデパートに入った。あの日、加藤さんからきいた「モテ香水」を確認したくなって。なんちゃらのなんちゃらって言ってたわね....って難しい横文字を思い出しながら店員さんにテスターをお願いする。嗅いだとたん、洋装の加藤さんが浮かび上がってきた。手首につけてもいいかしら?と店員さんにきくと、お着物大丈夫ですか?と心配されたけど平気平気と言ってかけてもらう。デパートからでて、手首に鼻をあて香りを吸い込んでいたら、

 

「石田さん?」と声がした。

 

振り向いたら、代理店の小山さんだった。なにしてるんですか?と笑いかける小山さんに、恥ずかしいところ見られちゃったと照れ笑いしたら夏の風が吹いて加藤さんの香水が一瞬体を包んで空に飛んでいった。

 

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おわり~

書いてる時すごい楽しかったけど、読んでくれたかたはどうだろうという....

いや、もう私は加藤さんが幸せなのが一番だから。ほんとに....!

ところで本題!

火曜日はNEWSの新しいシングル、トップガン/Love Storyのフラゲ日です!

両A面ともにヤバい仕上がりです!

ヤバいってふんわりした意味じゃなくてほんとにヤバいやつです。

沢山の方にCD買ってもらえたら嬉しいです!!

ではまた!

*1:増田さんがLove StoryのMVの立案をするにあたってのシゲが言ったのが「まっすーの初期衝動を大切にしてほしい」ということで、その他者を尊重する姿勢に感銘し、創作する人の意見だなと感心もした。