天才・馬飼野康二先生を褒め称えるためのジャニーズ曲10選

ある日、「忍たま乱太郎」を観ていて「馬飼野先生ってやっぱ天才じゃね?」改めて認識しました。私は職業作家と呼ばれる作詞家や作曲家編曲家の人たちがもともと非常に好きなのですが、ジャニにはまってみると、いいなって思う曲の多くが馬飼野先生によるものだと分かり、どうしても馬飼野先生の偉業を称えたくなり記事にします。それでは私が選ぶ、馬飼野康二先生によるジャニーズ名曲10選をご紹介します。

 

馬飼野康二(まかいのこうじ):作曲家・編曲家。1948年生まれの68歳。1972年、西城秀樹「チャンスは一度」の編曲を皮切りに、40年以上にわたって歌謡曲・演歌・アニソン・CMソングと幅広く活躍中。Mark Davis、Jimmy Johnson、Michael Korgenという英名のペンネームも持つ。(wikipediaより)>

 

1.「勇気100%」(1993年)作詞:松井五郎/作曲・編曲:馬飼野康二 歌:光GENJI(初代)

 いわずとしれたアニメ「忍たま乱太郎」のオープニングテーマ。20年以上も歌われ続けていることからも明らかな、説明不要の完全なる名曲。アップテンポなメロディーと、分かりやすいサビ、そして「ぼくたーちがもてる輝き、永遠にわ・す・れ・ないでねー!」でドラマティックに幕引き。応援ソングでありながら、アイドルが持つ強く儚い魅力に自ら言及しています。これを代々のジャニーズが歌い継いでいく意味!辛いとき歌うと自然に元気が出てくる曲No.1。SexyZoneが歌う現在のEDテーマ「まったなんてなし!」(作詞:ケリー/作曲・編曲:馬飼野康二)も合わせて名曲。

 

2.「愛されるよりも愛したい」 (1997年)作詞:森浩美/作曲:馬飼野康二/編曲:CHOKKAKU 歌:KinKi Kids

近田春夫が「男に興味がない俺でもホモにさせる力がある」<文春文庫『考えるヒット』より>と賞したキンキ2枚目のシングル。KinKi Kidsの二人の切ない歌声が馬飼野先生の作りだすメロディーにはまりまくってます。当時としても古くさかったコーラスの使い方などアレンジも最高。「どうだっていいじゃんそんなこと」で始まる歌詞も最高。疾走感に加え、なんとも言えない色気と退廃的な魅力があり、このころのキンキの二人は今見ても神がかっています。個人的な意見としては「硝子の少年」よりもこっちのほうが好き。

 

3. 「A・RA・SHI」(1999年)作詞:J&T/作曲編曲:馬飼野康二 歌:嵐

この曲においては「『嵐』というグループがデビューしたんだぞ!」ということを世間に知らしめることが至上命題なわけですよ。サビでアラシ!アラシ!と連呼&唐突な日本語ラップのせいか、なんか笑える曲って印象があったのですが、久々に聴いてみてビックリ。実はこの曲すっごいカッコイイ!出だしの櫻井さんのラップはファンとのコール&レスポンスも可能でツカミはOK。ラップからの例のARASHI~ARASHI~からの、「キュィィィーーン」とギターが入り、ダンスの見せ場をココに持ってきてジキソウソジキソウソ!場面の展開が早い。キャッチーなサビをカッコイイで挟み、最後はテンポが遅くなって「ふぉぉどりぃぃ...」でゆっくりと終わる。攻めてるのに歌謡曲らしく、1曲で数曲分の良さが凝縮されてます。しかも最終的に残るのは「嵐」というフレーズ。これぞ匠の技。上記1から3の曲は馬飼野先生ご自身も気に入ってる曲として挙げられています。 *1

 

4.スニーカーぶる~す(1980年) 作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:馬飼野康二 歌:近藤真彦 

マッチさんのデビュー曲の編曲も担当されてます。「はじめから終わりまで、どこをきってもサビ」のこの曲はジャニーズ史、いや歌謡史に燦然と輝く名曲です。松本先生と筒美先生のタッグが神なのはいわずもがな、この曲はなんといってもイントロ!「ビョーーーーン」とも「チャララーーーン」とも形容しがたい出だしから始まるギターのカッティング。最高です。「絶対この曲を売る!」っていう事務所とレコード会社の強い意志を感じます。

 

5. ケジメなさい(1984年)作詞:売野雅勇/作曲・編曲:馬飼野康二 歌:近藤真彦

同じくマッチさんの曲。フォーリーブス以降、本格的に馬飼野先生がジャニーズと組むきっかけとなった曲です。売野雅勇先生の作詞も含め、これぞ80年代前半といった軽さと明るさが前面に出たジャニーズらしい名曲。イントロから「ダダンッダダッダダンッ」で終わるアウトロまで完璧!ステージでのパフォーマンスの魅せ方まで考え抜かれています。

 

6. Time Zone(1989年)作詞:大津あきら/作曲・編曲:MARK DAVIS 歌:男闘呼組

MARK DAVISは馬飼野先生の別名義です。男闘呼組にもたくさん曲を書いてらして、2枚目のアルバムはメンバーの自作曲のぞいた全てが馬飼野先生の作品。これは3rdシングル。今聴いてもカッコイイです。KAT-TUNが踊りながらカバーしたらすごく似合いそう。男闘呼組はいい曲沢山あるのにジャニーズ史の中で脚光を浴びることもなく不憫。当時はロックバンド全盛期で、世間にジャニらしさが受け入れられない雰囲気がありました。成田昭次さんのハスキーな歌声が非常にセクシー。

 

 7.「オリジナルスマイル」(1994年) 作詞:森浩美/作曲:MARK DAVIS/編曲:CHOKKAKU 歌:SMAP

この曲には、馬飼野メロディーの特徴である明るさと疾走感、そして何か心を掴む一生懸命な感じ、が詰まっています。そう、馬飼野先生の曲は上昇気流に乗ってブレイクする寸前のアイドルにピッタリなんです。この曲がリリースされた1994年はSMAPがブレイクする前年。一度聴いたら覚えられるサビがどアタマに来てます。1991年に出たSMAPのデビュー曲もJimmy Jackson名義の馬飼野先生作曲。この「オリジナルスマイル」でジャニーズ事務所からの信頼はますます厚くなり、新グループのデビューには馬飼野康二!となっていきます。

 

8.「NEWSニッポン」(2003年)作詞:KNM PROJECT/作曲・編曲:馬飼野康二 歌:NEWS

このNEWSのデビュー曲は一風変ってます。元々、「ピースのサイン」というジュニアの間で歌われていた曲から派生して作られているからです。*2 NEWSがバレーボール応援のためのユニットとしてデビューするにあたって、もともとの曲を急いで一曲に仕上げたのでしょう。しかし馬飼野先生の的確な職人技はここでも光ります。「ピースのサイン」歌唱時には居なかった歌える子(森内くん現ワンオク)を迎えることで印象的なソロやフェイクが可能になり、デビューに相応しい格調を保っています。そして声変わりしていないこどもJr.のコーラス(多分藪君たち)が入り、謎の高揚感もあり。サビではNEWS!NEWS!の連呼でしっかりアピール。この曲も「A・RA・SHI」同様、素早いテンポから最後は「きみにおくるにゅぅーーすーーー」ゆっくりグループ名を告げて終わる。多人数でのフレッシュなデビューに相応しい、馬飼野プロフェッショナルの仕事です。

 

9.「真夜中のシャドーボーイ」(2008年) 作詞:ma-saya/作曲:馬飼野康二/編曲:馬飼野康二石塚知生 歌:Hey! Say! JUMP

平成の20年にもなって昭和の香りがプンプン漂う曲。女子かと見間違うような、いたいけな男の子たちがアンニュイな顔でちょっとエロい歌詞を歌い踊る姿に昭和から引き継がれたジャニーズの神髄を感じます。途中に挟みこまれる、まだもっさりしていた山田くんのセリフ「シャドー...」に身悶えした女子小中学生は数知れず。「アイドルに求められるもの」をはっきり音で具体化できる馬飼野先生の才能に脱帽です。JUMPでは、同じく馬飼野先生の「瞳のスクリーン」(2010年)も名曲です。

 

10.「Lady ダイヤモンド」(2012年)作詞  :松井五郎/作曲:馬飼野康二/編曲:船山基紀 歌:SexyZone

みんな大好きレディダイ。松井先生(1957年生まれ)・馬飼野先生(1948年生まれ)・船山先生(1953年生まれ)とアラ還大御所3名を召還して作られたこの曲はジャニーズ文化を象徴する名曲。ピアノと弦楽器の導入部からキラキララしてます。これも多くの曲同様、サビはじまり。レイディレイデイダイヤモンド君しかないよ~と、声変わり前の少年の声が甘酸っぱい。少年たちの歌唱の後ろにはずっと華麗な弦楽器の伴奏がキラキラキラと聴こえます。あー豪華。ステージでは片手手袋はめて歌ってましたね。まさかのマイケルジャクソンオマージュ。風磨君の「どうしたんだこのときめきいつもとちがう~」のヤングセクシーボイスからの、「あっちもこっちもチェックされちゃうエーブリデー」の勝利ソウマリの可愛らしさ。一曲通して、とにかくキラキララ!キラキララ!松井先生の歌詞も素晴らしいですが、頭に残るのはキラキララ!のフレーズと唐突な勝利君の俳句。ところどころ「イエイ!」と不慣れな掛け声がはいるのも良い。セクゾのあまりのキラキラぶりに、私はショタコンじゃない!この曲が好きなだけ!と言うのも説得力を失う、一人でこっそり聴きたい名曲No.1。「マイルドも地球の裏側じゃワイルドになる」でお馴染みのデビュー曲も馬飼野先生が作曲を担当されています。ネ申。

 

いかがでしたでしょうか。音楽に詳しくない私が駆け足でお伝えしましたが、少しでも馬飼野先生の偉大な業績が伝われば幸いです。先生の作る曲はどれもスピード感にあふれ、それでいて胸に迫る何かがあります。10選以外にもたくさん曲を提供されててどれも素晴らしいので選ぶのが大変でした。もちろん、馬飼野先生はジャニーズの他にもたくさん名曲*3をお持ちですので是非聞いてみてください。

あと!ジャニーズ事務所様にお願いです!早くiTunesその他音楽配信でジャニーズの曲が購入できるようにしてください!!切実に早急にお願いします!!!

 

 

 

 

*1:「作家で聴く音楽」第七回 馬飼野康二

*2:リンク切れるかもしれませんが未音源化のようなので貼っておきます。ピースのサイン(NEWSニッポン) - YouTube

*3:和田アキ子「古い日記」、松崎しげる愛のメモリー」、西城秀樹「傷だらけのローラ」、武田鉄矢と芦川よしみ「男と女のラブゲーム」、編曲のみだと荻野目洋子ダンシングヒーロー」、串田アキラ宇宙刑事ギャバン」などなどそうそうたる代表曲があります。