「Wash Your Hands」に衝撃を受けた人に贈る、松井五郎先生&馬飼野康二先生のジャニーズ曲解説。

ごし~ごしウォッシュ♪にぎ~にぎウォッシュ♪


本日(2020/03/29)に始まったジャニーズ事務所youtube配信、その名も「Johnny's World Happy LIVE with YOU」。各グループのパフォーマンスの合間に挟み込まれる「Wash Your Hands」にジャニーズの神髄を見た方も多くいらっしゃることと思います。

この「Wash Your Hands」がどんな曲か説明すると、ポップな背景の前にたつA.B.C-Zの5人、『これから手洗いダンスをやるんだけど、みんな準備はいいかな~?!』と金髪筋肉塚田君が陣を切り、『はじめまし手』というトンキチ挨拶に始まり、『よろしくし手』『よくまわし手』と、続く後輩たちも『おまじない手にぎりしめ手』と手縛りでつないでいき、『Let's wash your hands, Let's wash your hands,』とジャニーズっぽい英語が続き、すりーすりWash のびーのびWash ごしごしねじねじくるくると多彩なWashが現れ、また塚田くんが「みんな!!やってみたかな?きっと楽しいよ!」とあのテンションで、耳に手を当てつつ、画面の向こうに呼びかけWashのくだり(ここがサビ)を繰り返す、という曲です。(第一回目の配信のyoutubeはっておきます。Wash Your Handsは13:35頃から。)

 


「Johnny‘s World Happy LIVE with YOU」 2020.3.29(日)16時~配信 【Sexy Zone / SixTONES / HiHi Jets】

 

各グループ全身全霊のステージを見、沢山の曲を聴き終わったところで、最後に残るのはこの♪ごし~ごしウォッシュ♪という、恐ろしく頭に残ってしまうという、本題にぴったり寄り添った曲なのです!

 

こんな名曲、依頼されてわずかの時間で作れるか?

いや、作れない!あの人たち以外には!

 

そうです、この「Wash Your Hands」を作ったのは、あの!松井五郎先生と、あの!馬飼野康二先生なのです!このお二人ならば、「ジャニーズが歌う用に、手洗いソングを作ってほしい!分かりやすく覚えやすく歌いやすく!なるはやで!」という依頼にも満点以上の曲で返せることでしょう。(こんな依頼ではないと思うが)

 

歌謡界に燦然と輝く巨星が、この世界的危機の中、ジャニーズとタッグを組んで「手洗いソング」を書き下ろした、そのことでもう胸がいっぱいです。そんな私から松井先生×馬飼野先生のジャニーズ曲をご紹介したく、ぜひご拝聴ください。

 

(実は4年前にこのブログで書いた馬飼野先生の記事のアクセス数が、本日の「Johnny's World Happy LIVE with YOU」配信以降急激に伸びており、世間の関心の高さに胸打たれ、使命感を感じて至急これを書きました。私はNEWSのオタクなのでいつもはNEWSカッコいい♡シゲ大好き♡がメインです。)

 

1.Moonlight Walker(2015年)作詞:松井五郎/作曲:馬飼野康二/編曲:船山基紀 歌:A.B.C-Z

多くのジャニオタがA.B.C-Zこそジャニーさんの意思を受け継ぐグループだと思っているのですが、それを裏付けるかのようなこの曲。御大3名を召還してマイケルジャクソンオマージュ、これで思い出されるのがSexyZoneの「Ladyダイヤモンド」ですがそれに匹敵する名曲。ホーンで始まるイントロからアウトロまで名曲。繰り返される『What's your name?』『Who are you?』という掛け声(少年隊オマージュ?)も最高。煌めいていて夜を感じさせて大人っぽくて上品でステージを思い描けて。半世紀にわたるジャニーズ文化の王道の一曲。恐ろしい完成度です。A.B.C-Zは「Wash Your Hands」のこぶしをにぎにぎするだけの動きでそのダンススキルの高さがうかがえますが、この曲でもそのスキルが遺憾なく発揮されています。松井先生、ジャニーズ的には「勇気100%」など、ジュニア曲のイメージが強いですが、もともとすごく大人向けの歌詞を書かれる方です。大人の恋を描かせたら当代一。

 

2.ペルソナ・ゲーム(2017年)作詞:松井五郎/作曲:馬飼野康二/編曲:CHOKKAKU 歌:A.B.C-Z

イントロがマイケルジャクソン「スリラー」に似ている。中期の少年隊の歌と言われても信じてしまいそうだけど古臭いわけではない。A.B.C-Zはこういう大人の情愛みたいな路線がよく似合う。苦労人だからなのか各人の佇まいが落ち着いてるんですよね。でも歌声は変に癖がなくてとても聞きやすい。先ほど述べたように、男女の情愛を描かせたら右に出るものがいない松井五郎先生の詞なのに、おしとやかで奥手な感じがするのは流れるような馬飼野先生のメロディーとA.B.C-Z各人の個性のせいかな。上等な香水をつけた品のある男性とただならぬ関係に陥りたい時(どんな時だ)に聴きたい名曲。シングル「Reboot!!!」に入ってます。

 

 3.Love Confusion(2015年)作詞:松井五郎/作曲:馬飼野康二/編曲:船山基紀 歌:Sexy Zone

しっとりとした大人っぽい世界とセクゾの甘酸っぱさが非常にうまくブレンドされた曲。馬飼野先生はアゲアゲアイドルソングばかりではないのですよって事。松井先生の歌詞が最高なのに加え 馬飼野先生と船山先生による、ジャジーな旋律。切ないのに可愛くて、恋する気持ちが詰まってます。『好きなのに  ちょっとさみしいよ 君 ほんとに 綺麗に なってゆくから』ってまるで私たちがSexy Zone見た時に感じる切なさに似てるー。ジャニーズの奥深さを感じる一曲。

 

4.3秒笑って(2016年)作詞:松井五郎/作曲:馬飼野康二 歌:ジュニアBoys

忍たま乱太郎のエンディングテーマ。これを聴くと、いつでも小学校高学年の気持ちに戻れます。『ごらんよ流れ星 いくらでも見つかる その手を伸ばそうか ときめきに届く』って歌詞、書けますか?!この「ごらんよ」のクラシックさ、たまりません。大人になればなるほどこの曲の深さがわかります。『3秒笑って 世界が回って 君のこと 好きになる』ですよ。なんか泣けてきませんか?そして、この名歌詞が乗る、馬飼野メロディ。馬飼野先生のすごさは、歌詞を決して邪魔しないこと。強い音ではないのに耳にきちんと残り、歌詞が持つメッセージをちゃんと伝える。この「3秒笑って」のようなワード数の少ない歌詞だとそのすごさがとてもよくわかります。「Wash Your Hands」も同様に、手を洗うというメッセージ、伝わりますよね。

ちなみに、この記事を書くにあたって当時の少年俱楽部の映像を確認しましたが、今をときめくSnow Manのラウール君がとても子どもでした!

 

5.情熱の一夜(1999年)作詞:松井五郎/作曲:馬飼野康二 歌:少年隊

ジャニーズが常に一定量出してくる、ラテン系ジャニーズ風味な曲。これを聴くと、私の知ってるラテンは昭和の歌謡曲にあったんだな...って思います。

ジャニーズの社歌といえる「アンダルシアに憧れて」(作詞作曲:真島昌利)も地名の割はそこまでラテンじゃないはずなのに、いつのまにかすごいジャニーズ的ラテン要素で味付けされてて、ジャニーズとラテンってとても興味深い。ラテン=男と女の愛憎 featuring ブロードウェイ&少年隊、みたいな、、それもこの松井先生の描く世界観によるところあるんではないかと。

 

6.勇気100% (1993年)作詞:松井五郎/作曲・編曲:馬飼野康二 歌:光GENJI(初代)

前回も書きましたが、今回は松井先生の歌詞について言及したい。今回松井先生が手掛けた曲をおさらいして気付いたのが、文節が短いこと。『がっかりして めそめそして』...がっかりし手 めそめそし手、あ、違ったでもWash Your Handsと同じ入り方なので興奮しちゃいました。「がっ」という破裂の有声音で始まってることがこの曲の持つパワーを象徴しています。がっ!を発音する前の一瞬の間の緊張からの爆発。計算されています。

ネガティブな『がっかりして めそめそして』でしゃがみこんだあとのジャンプにより、『がんばるしかないさ』の跳躍が大きく感じられることでしょう。これを「がんばろう!」にしないセンス。天才。

 

7.Real Sexy! (2013年)作詞:松井五郎/作曲:馬飼野康二 歌:Sexy Zone

タイトルに反して別にセクシーではないこの曲もお二人の作品です。今まで見てきた、文節短く印象強くの松井先生の歌詞に馬飼野先生の伸びやかなメロディ。そしてセクゾの甘酸っぱい若々しさが奇跡のSexyを作り出してます。『RealなSecret Story 探さないか』って歌詞、でてこないですよ。なんて発注されたのか分かりませんが。「Sexy ZoneSexy Zoneを探してくれ」って言われてたとしたらほんとに100億点です。最後の「目と目のEyes」も洒落が効いてて素敵。同時期に出した「Just今しかない」もお二人の作品です。

デビュー組の中で松井×馬飼野タッグからの提供曲の印象が強いのが、光GENJIA.B.C-Z、そしてセクゾなのですが、ジャニーさん的にこの3組が「Just今しかない」って感じだったのでしょうね。

 

8.風を切って(2012年)作詞:松井五郎/作曲:馬飼野康二 歌:Sexy Zone

ジャニーズを知らなくてもこの『風を切って切ってゆくよ』のフレーズに聞き覚えがあるかもしれません。これも忍たま乱太郎のテーマ曲。最初の出だしからサビ、Cメロ、セリフ風の箇所(小さくリフレイン)と矢継ぎ早に構成された、とてもカロリーの高い曲。動画で確認したら、美少年たちが長い布をつけたハート型の剣のようなものを振り回しながらきびきびと歌ってました。今日の配信見たらマリウス君がすっかり素敵な青年になってましたが、相変わらず尊い光を放っていました。

 

さて、未だに音楽に詳しくない私が駆け足でご紹介してきましたが、松井先生と馬飼野先生の天才ぶりが少しでも伝われば幸いです。

 

前回(2016年2月)の記事の締めは「ジャニーズ事務所様!音楽配信でもジャニーズの曲が聴けるようにして下さい!」だったのですが、4年後の今もジャニーズの曲は一部除いて音楽配信にはのっていません。

しかし、未知のウイルスという想像もしなかった世界規模の危機に際しジャニーズ事務所が行ったのは、横浜アリーナ(中止にならなければ本日はNEWSのコンサートが予定されていました)の無人の客席に電飾を張り巡らしペンライトに見立て、そこから各グループのステージを無料配信するという行動でした。コンサートさながら汗をかき、挨拶をし、歌い踊る各グループのアイドルたち。

そしてはさまれる「Wash Your Hands」。みんな!一緒に手を洗おうね!のメッセージ、生真面目なのにざっくりした「詳しくは厚生労働省のホームページを見てね!」の文字、すべてがTHEジャニーズでした。スタジオの隅に立ち、ごしごしウォッシュ♪してるA.B.C-Zを見るジャニーさんの姿が見えた気がしました。

ジャニーさんの死去以降忘れていた「ジャニーズファミリー」という言葉を思い出した、そんなWash Your Handsでした。平穏な日々が来ることを願って。みんな!手を洗おう!

 

 

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