頑張れお前もっと頑張れってシゲに言ってた錦戸君に

先週のビビット(2019年9月6日放送, TBS)で錦戸君について語るシゲが印象深くて、何度か繰り返し見てます。

 

なんというか、昔のシゲの顔をしてた気がしたんです。処女作を書き終えたころの、それかもっと以前まだ加藤成亮で活動してた頃の。一歩下がってメンバーや状況を見つめ、俺がいるこの世界はいったいなんだろう、俺はなんでここにいるのだろう、と先へ踏み出すために真理を探す、そんな顔つきです。

 

といっても私は6人時代以前については後追いのファンなので、正確にその頃のシゲの表情について述べるのは難しいし、昔の顔してたというのも私の感触にすぎません。でも、大きな目を開いてスタジオの空(くう)のどこか一点を見つめて、錦戸君についてバーーっと話すシゲは、その思い出ごと体半分ひとりで過去にトリップしてるみたいで、いや、トリップというか、普段はこの要素はシゲの内側に隠れているけどふとしたときに体の外にでてくるんだなぁと思い、わたしはなんだかホッとするような気持ちになりました。

 

ホッとしたのは、30代になっても10代後半~20代半ばの気持ち(多くは自分の存在価値への疑問と渇望だったり、未来への希望だったり)を、持っていることに対して。多忙な仕事や取り巻く状況の変化に、彼の心が削られているわけでない、というのをシゲの表情から読み取って安心したのです。

 

これも私の勝手な印象です。確実なのはシゲがあの場で発言したことだけです。

 

放送の数日前に丸山君から連絡を受けたシゲ。前向きで最善の決断だったと言っていたことを述べたうえで、

 

僕の中の錦戸くんというのは、ずっと同じグループで8年ぐらい一緒にやらせてもらって、僕にとって一番厳しくて一番尊敬できるお兄ちゃんみたいな存在で。なんというか、ばらばらになってもなんか気になるような存在ではあって。僕の当時の印象ですけど、それから錦戸君がどういう思いがあっていま過ごされてるかはわかりませんけど、やっぱりむき出しの人だったんですよ。感情もむき出しだし、自分に絶対に嘘をつかない人だったなっていうところもあって。やりたくないことを無理してやったりはできない人だったなっていうところがあって。やっぱりそれでもグループのためだったり15周年だったりファンのためだったり、いろんな部分でバランスを取りながらすばる君の分も一手に背負ってやってたことに無理がきてどうしても無理だったんじゃないかなと。錦戸君のコメントみてもすごくシンプルで、変にお化粧した言葉は使えない人だったなというイメージがあったので。こういうコメントになるのかな、と。ファンの方々はすごくさみしい思いをされてるんじゃないかなとは思うんですけど。

 

NEWSと関ジャニの発足の仕方の違いについて話し、錦戸君の気持ちは関ジャニ∞にあるなって感じはありましたと語るシゲ。こっち(NEWS)には仕事としてプロ意識をもってやってるみたいな。なんとなくこっちにいるからかもしれないけど、関ジャニにいるほうが楽しそうだなって当時はありましたと笑顔を見せます。そして数年前に丸山君の計らいで錦戸君と会ったときのエピソードを披露するシゲ。

 

『頑張れ、とにかく頑張れ、お前が俺がいなくなってから頑張ってるのは見てきた、すごい頑張ってるけどもっともっと頑張ってより頑張れ、じゃなきゃダメだ許さねぇ』みたいなことを言われて。それめっちゃ悔しくて、ずっとその言葉を胸に奮起してきた。この人に認められたいじゃないですけど、だったらもっと頑張ってやるよって思って今日まで走ってきたというところが実はちょっとあって。なのでこのタイミングで僕が言うのもちょっとおこがましいですけど、錦戸君にはこの言葉を返したいなと。頑張って頑張って今まで以上に頑張ってより頑張って、それが関ジャニ∞とファンのためにできる錦戸君のこれからの活動なんじゃないかと思います。

 

と一気に言い、うんうんと自らに頷くシゲ。このエピソードを2016年に別の番組で話してたときは思わず泣いてしまったシゲ、太一君の受けコメント「そんなことがあったんだね~、3人で」に、うんうんと口元に少し笑みを浮かべる顔は昔の顔から2019年のシゲの表情に戻ってきたようでもありました。

 

アップ固定で、自分の内面の熱い気持ちを冷静な口調で的確な言葉で伝えるシゲを映すカメラ。シゲがこの場でこんな風に話すことができるのは、朝のワイドショーのコメンテーターとして安定感のあるお仕事を続けているからで、それはシゲの頑張りであり。そしてシゲの頑張りは錦戸君の頑張りでもあり。丸山君の優しさでもあり。そしてまたこのシゲのコメントがこれからの錦戸君の頑張りに繋がっていくのでしょう。

 

3年前にシゲがテレビでこの話をした際にもエントリーあげてました。

 

yuzukonbu.hatenablog.com

 

密度の濃い人間関係がベースにある、ジャニーズは物語性を帯び、一度きりの人生をその中で生きる人をエンターテイメントとして消費してるみたいで申し訳ない気もするのですが。頑張れ頑張れって言われてその言葉を胸に頑張ってきた人が、その言葉を言った人に返す時がくるなんて物語として綺麗すぎる気がするけど、それは事実で、そしてその人はアイドルでありながら小説家なのです。メタフィクションみたい。

 

いつかシゲは自分が見てきたこの世界を文章にするんだろうなって思います。書かずにはいられない気がする。そのとき、錦戸君という人は重要な登場人物のひとりになるのでしょう。

 

頑張れお前もっと頑張れってシゲに言ってた錦戸君。半年に一回ぐらいの頻度で私の心を掴む文章を寄せる錦戸君のジャニWEBでのテキストが読めなくなるんですね。

あの、「頑張れ頑張れ俺もっと頑張れ」って文章、私ほんとに好きでした。今回自分のブログ読み返して、『錦戸君』ってカテゴリー追加しました。ここに新しい記事がエントリーされるの、自分でも心待ちにしてます。

 

2006年にドラマで共演した真矢みきさんいわく、とても我慢強く粘り強いお芝居をしててまるで修行してるみたいだったという、負けず嫌いな錦戸君。頑張れ頑張れって人に言いながら自分にはもっと、頑張れ俺頑張れって言い聞かせて8年もの間信じられないハードスケジュールで2つのグループ掛け持ちしてきた錦戸君。

 

2010年のNEWSのコンサートDVDのメイキングで、ホワイトボードに『錦戸さんメモ』って書かれた曲タイトル。遅れてやってきた錦戸君は7曲の振り付けを2時間半で覚えます。まっすーに「俺たちが9時間かかって覚えた振り付けを錦戸君は30分で覚えた」と言われ、いやいや一対一で教えてもらったから、と謙虚な錦戸君。

 

yuzukonbu.hatenablog.com

 

ビビットでのシゲや真矢さんの話をきいてると、 錦戸君の濃厚なジャニーズとしての任務は任期満了なのかなって、私は感じました。2019年7月に私が札幌ドームで見た錦戸君はそりゃあもうかっこよくって、相変わらずセンス抜群(私服のセンスも昔から好きです)で、こんなチラ見だけでもほっとけない感満載なんだから、ジャニーズじゃなくなっても引く手あまたに違いない、間違いないって思います。頑張れ頑張れ。