ライ麦畑でオムライスをつかまえて

わたしが北公次の「光GENJIへ」を初めて読んだのはいつだったっけ。高校の制服を着てた気がするから、と本棚から取り出し奥付を見たら1988年とあった。時を経て40代の私が中学生ぶりにアイドル誌を買うときも、北公次の本を立ち読みしたときのような謎の脇汗がじんわりとしたのだけど、今思うとどちらも見てはいけない魔界に踏み込む時の緊張感が共通してたかも。

 

この本が本棚にあるのは、ジャニーズタレントを好きになるにあたって私にとっては踏み絵のような、北公次飛び越えれたらジャニーズ好きになってもいい、と自分自身に課したハードルのようなもので、しかし古本屋から取り寄せて買って読んでみたら意外にそのハードル低く、まぁ…ジャニーさんも年取ったし、岡本健一も息子入れてるし、親が官僚で慶応出のタレントもいるし、とそんな判断材料でなんとなーく納得して今こうしてオタクしてるのです。

 

ジャニーズ事務所に息子や孫を入れたい人は必見!」とジャニーズの特集するテレビ局に、ジャニーズってそんな息子を積極的に入れたい組織だっけ…時代は変わったのねと良いようにとらえつつ、実際足を運んで見たジャニフェスに、なんかやっぱりすごく独特な組織だな?!と深く感じ入ったり、自担のエッセイに出てくるジャニーさん(幼き日の自担に、良い寝顔だねと言い、その後会うたびにその話をする)ってちょっとギリギリだよね…?うんそう思う。でもさジャニーさんって結局さ○○□□△△…と気心の知れたジャニオタと話し合ったり。

 

そんな立ち位置で生きているので、今回BBCプレデター(捕食者)としてジャニーさんの番組を放送するにあたりワッと出た話題の、Twitterで「ジャニー」と検索すると出てくる、ジャニオタは性的虐待の加害者の片棒を担いでることを知れ、的な意見には言葉を濁してしまう。これ、ジャニーさんは既に亡くなってるし、被害者以外で今被害を被るのは"そういう目"で見られてしまう現所属タレントな気がします。ジャニーズって「食わず嫌い」みたいなもので、よく知らないけどとにかく嫌い!日本をダメにしたのはジャニーズ!って思う人がいるものわかる。

 

戦争を経験したジャニーさんの、平和への思い、少年たちに与えたかった夢や希望、その気持ちは私すごく信用できるし、それが根幹にあるエンターテイメントは今、日本から無くなるべきではないと思います。(ジャニーさん考案のジャニーズ舞台ってマジでぶっとんでて意味分かんないですよ!と友人は言うが) 

でも、ジャニーさんってそもそも米軍の人だし、戦後日本でGHQが提唱する平和というものが既に現代には合わなくなってるのかも。やっぱり私にとってジャニーさんって昭和、GHQフィクサー、ウエストサイドストーリー、そういう戦後史の中の人で、未だにこうして取り上げられるのは有耶無耶になった裁判のせいだけではなく、彼から感じる"宿命"の光と影みたいなものが現代人にも興味深いからなのではないかな。でも光と影、善悪あわせ持つ、みたいな曖昧な語り口って今の世の中では排除されていくものなのかも。

 

昨日はボランティアに行っていて、東京電力出身のおじいさんに会った。12年前のこの日を語る長話に、言葉にしつくせない彼の葛藤が滲んでて、葛藤があるから人間は深く生きられるのかも、と思った。ジャニーさんが葛藤を抱えていたのか、葛藤から生まれたクリエーションだったのか、もはや知るよしもないが…

 

ランチする予定の友人が、ごめん場所変えて良い?ラケルでシゲの作ったオムライスどうしても食べたくなったと言ってきたので待ち合わせを渋谷に変更。勿論シゲが厨房でオムライス作ってるわけでなく、先日の全力メイキングの食品サンプル回で青学帰りによく食べてたというラケル食品サンプル作ったから。

 

シゲのこういうところ嫌いと思う時もあれば、やっぱり好きって思う時もあって、でもこうしてテレビで見てシゲが作ったオムライス食べたくなっていてもたってもいられなくなるのは、他に好きな人たくさんいてもシゲだけなんだよね~とオムライスを口に運ぶ友に、ねぇシゲのこういうところ嫌いってどんな?ときく。

 

うーん?えっとねなんだっけ…すぐ忘れちゃう。ああ、音楽のツアーの時、シゲのジーンズにワッペンだんだん増えていったの指摘したメールをラジオで読んで、もっとみんなワッペンのこと気付いてくれると思ったのに~とか言ったでしょ?ああいうところ。みんながみんな何回もコンサート入ってるわけじゃないから気付かないのにね、シゲのああいうところ嫌い。

 

あ~分かる。シゲってナチュラルに傲慢なところあるよね、と相槌をうつ。自分で言いながら、確かにシゲってそういうところあるな…と笑ってしまう。ナチュラルに傲慢だから気付いてないんだよね、もしそれを指摘したら「えっ…」って驚いたあと(ごめん…)って落ち込むところまで見えたよね。その落ち込むところ、好きだよね。ねー、好き。と話を重ねる。

 

完璧超人のように思える文章とは違う、シゲの口からでるちょっとした人間くささが好きで、今日もシゲの夢を見てしまった。

 

脳は寝る直前の記憶に圧縮をかけながら夢を見させるらしく、完全に昨日見たKinKi Kidsの番組に勝地君の親友としてVTR出演したシゲが原因。親友はNEWSの加藤シゲアキで~とラーメンを食べながら勝地くん話し出すもKinKiはおいしいラーメンに気を取られて反応薄め。その前に語られた勝地くんのKinKiオタク話のほうがインパクトあったし、VTRでニコニコとお話しするシゲがいとおしい。愛おしいと思った結果、仕事早めに終わって時間空いたのでロケで行った古本屋とラーメン店に行きたがるシゲが私の夢に登場。

「マジでレアな本ばっか!」「絶対一人じゃたどりつけないでしょここの場所」と本を漁ったあと、「鶏白湯がオススメ!」なラーメン屋で、今体重絞ってるからと麺を半分にしたシゲが私のチャーシューをチラ見したので半分シゲの器に入れてあげた。そんな夢。

 

ジャニーさんの話をしてたのにいつのまにか夢の話に。ジャニーさんの見た夢を共同体験してるみたいな、ジャニオタするってそんな特殊な状態なわけでたやすく踏み込んではいけないカルトだったわけですよ本来、という意見に、NEWSのCDを初めて買ったときの、加藤シゲアキの本を初めて買ったときの、脇汗滲む感じを思い出す。

 

あれから何年もたって加藤シゲアキの本は芸能コーナーから文芸コーナーに移動、現在彼の書籍を手に取る人は脇汗なんかかかないだろう。既に時代は新しいターンに入ってるのではなかろうか。

 

今日は久々の歌番組の日。NEWSどんなパフォーマンス見せてくれるのか楽しみ。

やっぱり記事のタイトルつけるの苦手。

ライ麦畑を再読してて、世の中の全てを憎んでるみたいな主人公がただひとつなりたいものが、ライ麦畑の端っこにたってそこから小さい子が落っこちないようする見張り番、というところに自分より小さいものへの愛情を感じたんだよなと思い出した。小さいものへの愛情、コンサート中こちらを見つめてくるシゲの目からも感じて、なんとなくその二つを繋げたくなった。

友人は「シゲとシゲ担の、お互いに視線をかわすだけのファンサ」と笑っていた。えへへ ←照れてる

 

シゲの食品サンプルクオリティ高い。これは本物。美味しかったです