『平成最後の金田一耕助』って大層なフレーズを付けられた自担。さぁどうなるどうなる?ってワクワクドキドキしながら始まったシゲ主演のスペシャルドラマ「犬神家の一族」(12/24放送 フジテレビ)。
ご存知の通り、私はガチガチのボーボー(火が燃えてる様子)の加藤シゲアキファンなので、シゲに関しては冷静な判断ができないのですが、リアルタイムで見ながら既に思いました。
かなり、かなり!いいと思う!
今日二回目見直してさらにその感想が上書きされたので覚書くらいの感想です。
てか、この2時間(弱)のドラマ良くできてますね!
まず、画面がいい!ブラウン系でまとめられた画面を見てるだけでうっとりです。ブラウンの調度品や家屋や服装のなかで時折ブルーが差し込まれて(最初の殺人のときの灰皿や、手形を置いてる布とか、珠世のワンピースや金田一の足袋などは青い)綺麗。
中禅寺湖の風景も綺麗で。ボート乗り場の水面に落ち葉がたまってたり、林の中でスケキヨを追い詰める場面も、秋の空気と茶色がうまく合わさって、画面が美しい。
また、シゲが茶色似合うから。ぼろぼろの金田一の着物見て、着物のほころびになりたいって思ったし、金田一に乗っかってる布団見て、布団の白いカバーになりたいって思いました。
あ、ちがうちがう。すぐそういう事言う。
現代の日本で戦後直後の風景を収めるって大変だと思うんです。でもこのドラマは、画面から2018年が伝わってしまうことが無かった。そういうストレスが無いだけでもすごいと思う。ドローンを使った撮影は、きっちり現代ぽさが映らないようにされてたし、血のりも自然だったし、特殊メイクも超恐ろしい感じ(生首の断面!)だった。技術の進歩を感じると同時に、ちゃんと力が入ったドラマで、もうそれだけで嬉しい。
CM抜くと実質1時間40分ぐらいだからサクサク話進めなきゃいけないし、原作を改変しなきゃいけないところも。でも、お琴の先生が梶芽衣子で、青沼静馬の母・菊乃が梶芽衣子に似てるところにドラマ制作者の熱意を感じました。*1
あと、あの3姉妹の青沼家襲撃の場面。スケキヨのマスクの下の顔と同じく、まさか昨今のコンプライアンスで赤ちゃんへの焼き印のくだり入ってると思わなかった(石坂版にも無かったと思う)ので、やるな!と思いました。「いやぁ~怖い怖い怖い」って声に出しながら観てました。また黒木瞳が怖いんですよ。息子のためならそんなことするだろうなコイツって顔してるの。あとねー、劇中の音楽も良かったなー。夜更けに月明かりに照らされながら中禅寺湖を見つめて目を閉じ、考える金田一の顔にかぶさるプレイバック場面の時の音楽とか。
またその時のシゲ、いや、金田一の顔が良くってさぁ。
「この顔がいい!」なんてやってると話全然進まないから。
まず、眉毛の下の産毛、アイドル時は抜いてるあの毛が生えてるところが◎
スケキヨがマスク取った時に思わず顔をそむけるところが◎
弁護士が遺言状を読み上げてる時の顔が◎
唇を指でぐいぐいさわるところが◎
佐智が死んだあと、珠世に「何か思い当たるふしがあるんですね?」って尋ねるときの顔が◎、超◎
シゲの顔見てると私もシゲの顔が移りそう。眼球と目尻にグッと力を入れて唇少し開いて口角あげて....(ならない)
ニュ、どころか、ジャの字も発したことのない私が突然NEWSにはまったとき、夫はあっけにとられ、ていうかNEWSって誰?と、メンバーの名前も覚えようとはせず、シゲのことは『昭和のイケメン』ってあだ名で呼んでました。それが、「分かった。シゲは愛嬌要員なんだな。」と合点がいったのは、私の沼落ちからそれほど時がたってない2016年の夏、24時間テレビの番宣のために出たバラエティー番組を一緒に見ている時でした。
そうなんです。
シゲって可愛いんです。
顔もそうだし発言も声も仕草も人格も可愛いんです!
思わず「シゲwww」ってwつけて愛でたくなっちゃう何かがあるんです。
演技のできるイケメンは沢山いるけど、愛嬌のあるハンサムってなかなかいなくないですか。
シゲの舞台「グリーンマイル」を去年見に行ったときに、会場の明かりが戻って「シゲ顔がいい~」と開口一番に言う観客に、もっと見なよ!共演者とのコンビネーションとかさ!ってちょっと思ったんですけど、ドラマというのは全体像を楽しむ舞台とは違い俳優のアップが多いから「顔がっ!」って言うのは当然かと。元々映画俳優ってそういうものだったんでしょ?長谷川一夫とか....市川雷蔵とか....さすがによく知らないけど。
とにかく、愛嬌のあるハンサムである彼は、そこを見込まれて今回の金田一にキャスティングされたんだと信じてます。
1977年製作の石坂浩二版『犬神家の一族』のラストが好きって人結構いると思うんです。いつの間にか金田一のことをみんなが好きになっちゃってるって事を表したあのシーン。
弁護士の先生は自分のお金を渡そうとするし、猿蔵は「あの人のことが忘れられないです」と花束を用意して、みんなで見送りに行きますってテンションで、しかし金田一本人は、まいったなぁ~そういうの苦手なんだよな~って一本早い汽車に乗るところで「完」。
原作でも金田一っていつの間にか人の懐に入ってきて皆知らず知らずのうちに情報あたえちゃう、本人はいたって普通にしてるのに。そんな感じのチャーミングな人で、殺人やだな~怖いな~でも興味あるんだよな~って感じなの。
今作の1時間40分という時間じゃ、なかなかそこまでのキャラを出す演出難しいと思うけど、
におう~におうぞ~
視聴率も良かったみたいだし!
あるな、これあるな~
何がって、続編ですよ!!
最後、「名探偵金田一耕助さん、またお待ちしてますね」って旅館の女中さんに言われてたもん。フラグ~。
それもあって、ドラマ放映後、横溝正史の金田一シリーズの別の作品、早速買ってきました。まずは「八つ墓村」から読んでるけど、横溝正史ってとにかく読みやすいの!読む前は難しい例えとかいっぱいで読みずらいんだろうなぁ昔の本だしって思ってたけど、犬神家は1972年発行の本なの!思ったより新しいしポップなの。なんなら大正時代とか戦前の本だと思ってました。やはり残る本というのは面白いんだなぁ~。
最後に話変わりますけど、しかし、てごめにされるとか、処女を奪ってしまえばその男のものになるとか、松竹梅三姉妹は犬神を憎んでいながらそこから離れられないとか、男に属さないと生きていけない昔の女の悲哀を感じますね。年下の愛嬌のあるハンサムなアイドルにキャーキャー言って個人レベルでは男性と対等に生きられる今の世の中に生きられて良かった~とも思いました。
最近の歌番組も良かったので年内にそのことも書けるといいなー。
金田一も走るほどの師走の忙しさよ。
*1:原作ではお琴の先生が実は青沼菊乃なのです!!じゃーん!