アフター6ジャンクション「作家・加藤シゲアキを徹底解剖」特集の感想

水曜日のアフター6ジャンクション(通称アトロク)どうやってまとめよう!こんな膨大な宝の山の前で困り果ててますぅ

 

アイドルを好きになるのは内に内に行く行為だと思ってたけど、ぽーんと外に飛び出すような気持ちになった。「さっ、私も自分の人生がんばろっと!」と力貰えるような。

オルタネート、直木賞、若い人へ思うこと、「推し、燃ゆ」、、、大量の素シゲに圧倒された。

まさか「神」から『神との適切な距離感について』のコメントが貰えるなんて思ってもみなかったので、「そんな人いないから.....現役アイドルで......(ちょっと震える声)」と呟く宇多丸さんにシンクロ。

 

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シゲ:僕にとってちょっと、、、「推される」こともある側というか、そっちがメインの仕事側じゃないですか。そこで描かれないある種、神としての距離感なんですよね。神がなぜそうしたのかわからないような、それでも信じるみたいな原理主義的な部分もあるし、でも不安になったりする。でも、神側の、推される側の気持ちっていうのは。。

宇多丸:うん、うん

シゲ:もちろん人間、人間加藤シゲアキの神ぶってるところかもしれないですけど。そっち側もあるんで。そこじゃないところに共感、共感というか時にいらだち、時に共感してそれに振り回される主人公の話なんで、「なんかごめん。」みたいな。なんかごめーーん、、、みたいな。自分のやってることが空恐ろしくなるような作品。まぁそんなふうに思う人は数少ないんですけどこの作品を読んで。とてもビシバシくる、そういう意味ではツラい小説。話自体も辛いんですけど。

宇多丸:その視点での感想ってめっちゃ貴重だよね。

シゲ:理解しようとしてるファンの方たちなんですよね。理解しようとする矛先はばらばらなんですけど、どういう風に呑み込んでいくかっていう。でもやっぱり責任感もすごい、僕は感じさせられる、、これを理解してしまったら逆にできないっていうところもあるんですけど。僕らも目をつむっていかなくてはいけないところも多少はあるんですけどね。

宇多丸:そうだよね。推しと推されが完全に理解し合えるなんてのは、

シゲ:うん

宇多丸:求めるべきじゃないし、勿論。うーん

シゲ:その中で、推しも対象に対しての文章の中で『ステージの隔たりがある分優しいと思う』っていう地の文があって。それもすごい分かるなぁと。ファンの人にだから、あえて優しいことが言える

宇多丸:はい、はい

シゲ:その距離感が、なんて言うんですかね、すごく相手を慈しめる距離感だっていうのが、近くなったらこれまた『花束』みたいになっちゃうだろ?っていうことなんで。

宇多丸:そうね、お互い遠きにありて想うものっていうのありますよね

シゲ:ありますよね。というところはすごいまた、なんかそこはちょっと肯定されたセリフだな、と。

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私(なんかごめん。って感じなのか。いいのよ、そんなの。勝手に好きなだけなんだから。こっちこそごめん。)

 

と言ったらシゲは「いやーなんかごめーーん」って言うんだろうか。

そしたら私は「いやいやこっちこそごめんだし」って言って、

シゲは「いやいや!そんなことは。。。なんかごめん」って言って、

私は「いやほんとに謝んなくていいし」って言って、

そしたらシゲは、、、、

 

 

そこで顔を見合わせてクスっと笑って

「ま、これはそういうシステムだから。だったらそれをどう両人にとって良いものにするか、システムの仕様を変更していくのができることじゃない?」ってどちらかともなく言うんじゃないかな~

 

「すごい人を好きになってしまった」「シゲを好きになって得しかない」「尊敬」所謂愛情とはちょっと違う気持ちが生まれてきた。

端的に言えば、加藤くん大好き!なんだけど、恋愛を自分から終わらせて一晩泣いたあと「さ!次いこ!」って元気に立ち上がるみたいな?新しいフェーズ始まるみたいな?

 

シゲの姿から何を読み取るかは個人にゆだねられている。今の私には、アップデート、若い人への目線、この辺の話が特に刺さった。「いつも心の中にあるけど、なんとなく手を付けてない部分を取り出して一度しっかり見たい」そんな気持ち。

 

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シゲ:アップデートをどうするかっていうのがこの先クリエーターたちの課題になると思うんですよね。

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シゲ:小説だから何書いてもいいってこともあるけど、作家だからこそ敏感でなくてはいけない。

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シゲ:多様性を意識し過ぎて押しつけがましい作品もある。いかにそれをさりげなくっていうのが大事になってると思うんですけど、「ハーフ・オブ・イット」はバランスも良かったし、「Booksmart」はそれ以後って感じがする。この辺はすごく大事なポイントになっていくだろうなっていう感覚は非常にあります。

宇多丸:オルタネートもそういう意味ではそこを声高に語るというわけじゃないけど、すでにそこがデフォである「その先系」っていうかアップデート、でしょうね。

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映画「Booksmart」と「ハーフ・オブ・イット」を例に取り、多様性がデフォルトである世界観を描くことについて話す2人のトークも良かった~

 

周りから「Booksmart見て下さい!」とプッシュされたシゲ。最先端の感覚を持つであろう人々の感度をシゲから紹介してもらえるの、いいですね~

ほんと、シゲを好きになってから得しかない。

 

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シゲ:オルタネートを書いたこともあって、若い世代、特に10代のアーティストも最近すごく活躍するじゃないですか。自分が30代っていうのもあって、色んなものは若い人が作っていくと思ってて、若い世代の音楽、若い人がどういうものを作ってるかというのは割と意識していこうと思ってるんですけど。

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シゲ:そうですね。自分がジャニーズでありながら小説を書かせてもらっている。今回自分ははじめて文芸賞をノミネートしましたけど、それまではならずにジャニーズだから書かせてもらっていたという環境があって、そういう環境で迎えてもらったならば、ジャニーズならではの使命として、あんまり本とか読まない世代や方たちに僕を通して届けられたらいいなぁと、それで小説好きになって僕の好きな作家にハマってというのが、一番理想だなと思ってますね。

宇多丸:最近の加藤くんの小説には「継承」のテーマがある気がする。

シゲ:意識したわけじゃないですけど好きなのかもしれない、自分が年齢重ねたせいもあるかも。ジャニーズの後輩もめちゃめちゃいて。場合によっては、デビュー順で並ぶと一番前だったりするんですよね。そこで若い世代と同じようなことをやるカッコよさもあると思うけど、自分的にはそこではなく、違うところで夢を持たせてあげるほうがいいだろうなというところはすごい意識してるところはあるかもしれない。それが作品に出てしまってるかも。

宇多丸:現役アイドルであって同時に作家として成功してというスタンスそのものが勇気を与えるということは絶対ある。こうじゃなきゃいけないってこともないし。この方向で自分がやりたいほうや自分が生かせるほうに行けばいいんだってより思わせる。

シゲ:そうですね。勇気とか行動力とか、自分でこれ無理かなって思ってる人も多いと思うので特に若い世代は大変な群雄割拠の中。

宇多丸:みんな才能を出しやすい、阻むものは何もないって言ったけど、逆にツラってことでもあるじゃない。俺同世代だったらなかなかの焦りっぷりか、焦りすぎてふて寝か、、

シゲ:それもそれでいいんですけどね笑。僕も当時、群雄割拠だと思って、小説でどうにか、って思ってたけどまだ僕の時は恵まれてたなと思うくらいみんな大変だなと思うんですけど、それぞれのスタイルを確立するのができるよっていう指標になれればなっていうのはありますね。

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この辺の若い世代の人への目線もよかったし、それにしても優しい人だな。聴いてるうちに、「人間が当然もつべき、一番土台となる権利。人種・性別・身分などによって差別されないこと、それが基本的人権。」っていうフレーズが頭の中に浮かんできた。

 

肩の力ぬけて、分かってもらえない不安も無くなって、伝えたいことを真っすぐ出せるようになった人間は強いなぁ。

 

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・小説を読まない若い人向けにリーダビリティを意識して書いた。内容は3日ぐらいで忘れてしまっても構わないと思っていたので、文学賞で話題になるとは思ってもみなかった。

・小説を高尚なものにしたくなかった。

直木賞の選考に関しては「高校生の青春もの」と「(SNSなど現代を反映した内容なため)今だからこそ」というところで割れたらしい。

・ジャニーズで恋愛小説だと「売れ線に行った」と思われるのが小説を書き始めた当時すごく嫌で『ピンクとグレー』のような作品を書いてきたが、続けてきたら肩の力が抜けてきて、30代になって冷静に距離ができて高校生を見つめられるし、この先忘れていく感覚の方が多いと思ったので今しかないと思ったのでオルタネートを書いた。

・10代の中盤から後半の時に感じること、モラトリアム一歩手前のような時の狭い社会での心の揺らめきみたいなものって普遍的なのではないかと思い、自分を高校生の時の感覚で飛ばして追体験するように書いた。

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”自分を高校生の時の感覚で飛ばして” 、この表現好きだわ~。

全体的に「自分さえよければいい」っていうのが無い人ですね。

自分がしっかりあるからこそ、他者への尊厳に気を配れるというか、、、

 

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・はじめて舞台をしたときに雑誌のインタビューで好きな髪形を聞かれて「お団子」と答えたら劇場中お団子ヘアーだらけになってしまい、ちゃんとしてる方から「お団子好きだとか言わないで下さい」って言われたことがある。気をつけなきゃと思った。

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こういう話聞くと「ごめん!」って思いますねやっぱり。「いや俺こそごめん!」ってなるか、また。。。笑 

シゲすごいなぁと偉いなぁと思ってシゲがそこまでハマるならと、鬼滅観に行ったとき劇場に流れた予告編で「面白くなさそうBOX」に入れた映画をくるくるっと手の平返して観に行ってきた。夫にも激プッシュして観に行ってもらったら

「若いなぁ、、、って感じで麦にも絹にも感情移入できなかった。」

という感想をもらったので、あの映画にここまで熱くこじらせるシゲって、なんだかんだいって若いなぁ!と微笑ましい気持ちに。でもそのこじらせもアイドルしてるが故の恋愛観なのかなぁと思ったらやっぱなんかごめん、、、って思わなくもない、、、

 

笑!

 

とにかくすっっごごごっごいい素晴らしい時間でした、アトロクシゲ回。

生きてるとこんな良い事あるんですね~!

Booksmartのついでにネトフリでドキュメンタリー適当に見てたら(シゲはネフリって言う?私はネトフリって言うよ!)found my own religionって言ってたの思わずノートに書き留めました。

Found my own religionで How to see the worldって感じ。

 

シゲを知って世界を見るのは楽しい。

勝手に好きなだけだからシゲも好きなように生きてね!

 

結論はそんな感じでいつもと一緒だけどアトロクの前と後ではなにかが違って見える、そんなふうに思える特集でした!