福井公演の感想、日記的な話(ネタバレなし)

福井公演の感想ですが、今回もネタバレ無しで書くのでコンサートの感想というよりも自分語りが増える気がする。ネタバレ絶対ダメとは思わないけど、こと「NEWSのコンサート」のそれに関しては、数か月にわたるツアーのいつ入っても初見の驚きを保てるようにしたいというメンバーの意向が一番正当性があると思うので従うまでです。

みんながネタバレしないの見てるよ、ありがとね、とファンをねぎらう慶ちゃんは固有名詞は発しないものの、Twitterをチェックしてるのは明白だし、シゲは「Twitterに書くなよ!切り取られてネットニュースになるからな!」と、見事なキャラクター造形を披露したあとずばり言ってた。

でもTwitterみたら普通にその部分をみんな回しまくってたので「フリじゃねぇぞ!書くなよ!」は、実は押すなよ!押すなよ!みたいなフリだったのか、わたしには判別できなかったのでシゲ担やり直してきます。

 

シゲ担やり直してきます、はあながち間違いでもなく、福井で入った日曜日夜の公演の時間の7割は慶ちゃん見てたんじゃないだろうか。一般で入ったチケットはスタンドのメインステージの端っこ、メンバーの立ち位置より後ろなんじゃ?という席で正面スクリーンも良く見えない席だったけど、慶ちゃんの全身像はよく見えて、まっすー越しのシゲを見ようとするとライトが直接目にはいってきて、まるで私の心象風景のようにシゲがキラキラと光って眩しくてよく見えない。なので慶ちゃんのしなやかな肢体、美しい顔、繊細な指先、足のラインを見ていた。銀髪でおでこ出してきた慶ちゃんのこと、「雨の中猫拾ったヤンキー」ってTwitterで形容したけど、『花より男子』って感じもした。漫画もドラマもちゃんと見たことないけど、多分それ。

 

会場をよく見渡せる席だったのでなんとなくうちわを見てたけど、慶ちゃんとまっすーうちわが多かった気がした。さいたま同様、若い子が多くて、男子も多かった。肩にツアータオルをかけた男の子が一人でやってきて私の斜め前の席につき、まっすーのうちわを手にし、公演中もたびたび双眼鏡を使って見ていた。まっすーの「デュフフフ....デュフフ」という笑い方を見て彼はどう思ったのだろうか。私はとってもあの笑い方が好きで、前から後ろから色んな角度であの大きな肩がデュフ!と揺れるのを見て、とても満足感を得られた。

 

しかしまっすーはほんと面白い人だ。まっすーの面白さを語り始めると何時間でもかかってしまう。今回の公演、シゲがスパークするのを見て爆笑している増田さんのカワウソみたいな笑顔や、そのせいで段取り忘れた慶ちゃんが「段取り間違えちゃった!」ってなった時のまっすーの「???」ってそもそも段取り知らなそうな表情、2人がSNSの話してるときのぼやぁっとしてる顔、シゲの反応を求めてる時のきゅるんとした顔、なんて面白くて可愛い人なんだ。思い返せば3人一緒のANNの時、トレンド入りを喜ぶコヤシゲをしり目に、トレンドってなにそれおいしいの?状態だったことや、前回のツアーでバックの新藤君が「ハッシュターグNEWSしか勝たん!」を発明してシゲとキャッキャしてた時も、「俺そういう(ハッシュタグ)ので話題になるのほんと嫌」と心底嫌そうだったし、とにかく彼の行動の全般において(俺が心でそう思ってるんだからそれでいい)が一貫しててすごい。

 

最後の挨拶で「~っていう歌を歌ったとき、感動して泣きそうになりましたぁ。」と言うまっすー感動したわ~私が泣きそうになったと公演後私が話したら友人が、「昼の部も同じこと言ってたし、多分ずっと同じこと言ってる」って言ってふいた。あのまっすーのたどたどしい喋り方が、心の中から湧き出た言葉っぽくて感動してたのに毎回言ってるのか、あんなにたどたどしいのに。心の奥の感情を抽出して表に出そうとすると、「感動して泣きそうになりましたぁ。」って言葉に集約されるんだなきっと。愛おしい。

 

今のNEWSの歌を聴いていて思うのは、歌というのは上手い下手ではない、ということ。もちろんまっすーの歌は「上手い」に分類される歌なんだけど、上手いと単純に言ってしまうの勿体無い。過剰に感情を乗せて歌ってるわけでもなのに、さらりとしているのに不思議だ、まっすーの歌を聴いてると心臓がグッと押されるような感触がある。そこにシゲと慶ちゃんの歌声が加わると、NEWSの歌って誠実なんだよな、って感想になる。真摯という言葉を辞書で引いたら「まじめでひたむきなさま」とあったので、それかもしれない。

 

まじめでひたむき、で思い出されるのが福井に行く前に寄った新宿の紀伊國屋書店の「『1と0と加藤シゲアキ』刊行記念フェア」の机の前にしゃがみこみ、設置されたシゲに向けてのメッセージノートに一心不乱に文章書きこんでいく、見知らぬ若いシゲ担の女の子の姿。とても美しかった。10時半の開店と同時に入店したので、大きい窓から差し込む朝の光に照らされた姿が、まるで礼拝堂の祈りのようだなと思った。

若く新鮮な感性を持つシゲ担に出会うと、自分のおばさんぶりがみすぼらしく思える。これはどうしようもない、人間は確かに歳をとる生き物だから。

当たり前だけど、私にも若い時はあった。20代半ばのある週末、私は手ひどく失恋をし、部屋でひとしきり泣いたあとすっくと立ちあがり丸の内線に乗り新宿で降り、この本屋に直行した。彼の人生に合わせたライフプランを全部捨て、新しい一歩を踏み出すために資格の参考書が欲しくなったのだった。紀伊國屋の6階あたりで生まれ変わった気持ちで参考書を選んでる時の情景がシゲコーナーにいる時に急に蘇ってきた。

 

ある意味、シゲと出会って「アイドルのファン」という一面を自分に加えたことも、新しい自分をあの時必要としたってことだな。その時に出会ったのがシゲで良かったと、シゲがシゲ自身を連れてきた場所でしみじみと運命に感謝した。

紀伊國屋で参考書を買ったり、アイドルのファンになったり、自分で自分を再構築してる感じが、今回の「音楽」ツアーのNEWSにも共通してる気がして、大人である私がこんなに好きでいる確かな理由が彼らにはあると思う。

 

そもそも福井には最初から入りたくて、ツアー発表になってすぐ、一緒に申し込まない?と友だちに誘われた。行くと即返事をした日の夜、夫にお伺いをたてたら好感触を得られなかったため、翌日しょんぼりと、やっぱり福井はやめとく、、、と友人に断ったという経緯があった。

しかしながら、ツアーがはじまり、さいたま公演に行ったらやっぱり福井にどうしても行きたくなり、やっぱり行きたいから行っていい?と夫に聞いたら、「いいんじゃない。いちいち許可取らないでいいよ。自分で考えて。俺のせいで機会逃したとか言われたらいやだし。」と、(言い方~!)と思ったけど、そうと決まれば早速、プレイガイドの画面リロードリロード、見事チケットゲットして件の友人に連絡、初志貫徹して、紀伊國屋からの東京駅、新幹線乗って実家に一泊して特急乗ってNEWS、この流れがなんだか『人生』だなって思った。

 

そうして降り立った初福井は10月なのに真夏のように暑く、日差しをまともに浴びながらバイバス沿いの道を歩いてる途中で(マジか...まだ着かない...遠い...暑い...)と思ったけど、田畑の中に立つ円形の会場は古代遺跡みたいでかっこよかった。

サンドームは音が降ってくる感じ!という評判通りの環境で聴くNEWSの歌は素晴らしく、シゲがほとんど見えないなんてまったく関係なかった。だって福井まで音楽を聴きにきたのだから。会場の中は「世の中にこんな楽しいことあるんだよ!」という、NEWSと観客の共犯関係みがあって、とにかく楽しかった。「Twitterに書くなよ!」と言うシゲが共犯みに拍車をかける。ジャニーズアイドルのファンの経験をへるなかで、"アイドルとファンの共依存”という言葉が浮かぶこともあったけど、福井のコンサートは共依存ではなく、楽しい共犯だった。

NEWSは心から楽しそうに音楽を奏で、最後の最後まで楽しくて、楽しかった~と外に出たらすっかり涼しくなって、田んぼから虫の鳴く音。マスクをずらしたら、緑の香りの中に懐かしさを感じ、友人にそのことを伝えたら「あ、ほんとだ。これ藁の燃えた香り。うちの実家の近くもこんな香りする。」と言った。大人になってこんな楽しいことあるなんてね~。ありがたいね~。あ、反対側の田んぼに落ちないようにね、NEWS最高だったね~、と言いながら帰ってきた。

 

楽しかったな~。

福井公演の起点は、土曜日朝の紀伊國屋書店にあったという感じで、よく見えないはずのスクリーンに突然シゲの投げキスが映されたの幻かと思った。口に手をあて、バッ!と乱暴な投げキスですごくシゲっぽくて、20数年前紀伊國屋書店にいた傷心の私も、あの雑な投げキスで救われたような気がした。バッ!と。