きみは『トラブルマン』を知っているか。

また新しい武器を手にいれてしまいましたのでそのご報告です。

その名は、『トラブルマン』。2010年4~7月にテレビ東京で金曜深夜に放映されていた加藤成亮君初主演連続ドラマです。

 

心優しきシゲガールに先日貸してもらって、全12話一気に見て、さきほど2周目も見終わりました。瞼を閉じれば茶髪の若シゲが浮かんでくるくらいどハマりしてます。

 

いいんです、このドラマ。監督は有名なSABUさん*1。主演のシゲの周りはそうそうたる個性派俳優さん。雰囲気としては『カメラを止めるな』とか『鍵泥棒のメソッド』『アフタースクール』のような、回収型ミステリーコメディ(という言葉があるのか知らないけど、今私が名付けた)。なので、ラストまで見終わると、もう一度最初から見たくなる。脚本が面白いうえに、俳優が良く、シゲの演技もとても良い。

 

徳田(シゲの役名)は保険会社をクビになったばかりの25歳の(元)会社員。クビの理由は、顧客を優先しすぎて会社に損害を与えたからという。徳田が顧客の利益を優先する理由とは、そして彼が巻き込まれる騒動の真の意味とは、というのが大筋。トラブル続きの徳田の人生と、周囲の人々の人生についての話です。

 

ハンサムで可愛い彼女もいて、性格もよさそうなのに、どこか残念な雰囲気が漂ってるこの主人公をシゲが体現しています。ふっくらとした顔に茶髪に、まだ少年みが残ってて、ロゴ入りTシャツにチェックのシャツ、パーカー付きジャケットに白いコンバース。そんなシゲがラブリー系ファッションの彼女(佐津川愛美さん、ヒメアノ〜ルのあの子!)と腕を組み街を歩く様子は、あーこういうカップルいた!って既視感を覚えると同時に、女子と腕を組み自然な様子で街を歩くシゲ、というものを初めて見たので、大変新鮮に萌えました。佐津川さんが小柄なので、隣にいる若シゲの男らしさがより浮き彫りになりカッコよくて震えた。

 

大切な恋人を守りたくて、徳田は彼女と距離を置くことを決意するのですが、そんな気持ちを持ちつつ、彼女を見るシゲの演技が切なくてよかった。金八先生でマンションのベランダにいる直(上戸彩)を見上げるハセケン(シゲ)の顔を思い出しました。想いを内に秘めたときのシゲってたまらんですよね。

 

最初は普通の青年に見える徳田。話が進むにつれ彼の抱えた秘密や絶望に近い諦めとかすかな希望、そういうものがシゲから漂ってきます。

SUBU監督は初対面のシゲの印象について「主演という気負いのせいか最初はポーズなのかクールに構えてて、そこが可愛かった」ってすっかり見透かされてるのさすが映画監督。しんどくなればなるほど、加藤君はカッコよくなる。とも言われてました。美形だからこそ、苦しみが似合うというのもありますよね。貸してくれた友人の、男の子を綺麗に取るのが上手でオタクが欲しい画角をくれるのがSABU監督、との言葉通り、素晴らしい画角に満ちたシゲの美が堪能できます。監督の特徴である走るシーンもたっぷりあり、カッコよく走る成亮君が堪能できます。(お料理シーンもありますよ!軽く汗をかきながらフライパンをふるうシゲ。パスタをフライパンから手で取って口に入れる、雑な味見のシゲ。美味しい美味しい何杯でもいける!と褒められニッコリ笑顔の素シゲ。)

 

しんどくなるほどカッコよくなるシゲの演技について、監督も鳥肌がたち、周囲の人たちも感動してシゲに対する見方が変わったというシーン。それは、ある場面でシゲが流す涙なのですが、ほんとうにここは素晴らしかったです。ヘアメイクさんの持ってきた涙足す用の目薬を「たぶん、大丈夫だと思う。」と断り、静かに気持ちを作っていくシゲがメイキングに収めされていました。

 

私、シゲの白目がとても好きで。あの大きい目の白目の部分にとても表情があるんですよねシゲ。そこから流れていく涙にもさまざまな感情が込められていて、彼の奥行を感じます。

 

それにしても、この役も、去年の零も、金八のハセケンも「困ってる人の為になにかをする」役がハマりますね。真面目で思いやり深い、役柄のそんなところが、負荷がかかるほどに輝きをまし、どんな経験からもなにかを学ぼうとする彼の本質に繋がっていくのかなぁと思いました。

 

徳田の人物像について監督は「加藤君が感じる徳田、そのものでいい。」と言い、シゲも「褒められながらやっているので気持ちがいい」と言い、当時のシゲにとって、このドラマの撮影で監督はじめ大人たちにありのままの自分を褒められたことはかなり大きかったと想像に難くないわけです。

 

このドラマの撮影は2010年の3月初めから4月終わりにかけての2か月間。ギュッと凝縮した時間だったのでしょう。「とにかく、加藤君がすごくいいので、このドラマのあと、加藤君は大人気になると思う。」と監督に言われた後ほどなく、NEWSは転換期を迎え、撮影から1年後の春、東日本大震災のさなかシゲは小説を書き、2011年の11月に名前をカタカナに変更して翌12年の1月に『ピンクとグレー』を出版します。

 

トラブルマン』は、そんな変化のきざしを感じる作品だと感じました。ちょうど大学を卒業したばかり、僕の新卒1本目の仕事がこれです!と語るシゲがみずみずしい。

 

このトラブルマンのシゲが好きすぎて瞼を閉じると浮かんでくるようになり、去年発表したNEWS結成15周年記念の曲『Strawberry』を聴きながら、「ありがとう、愛してるぜ!」と歌う今シゲにこの22歳の若シゲを重ねて、涙が出そうな気がしたけどでませんでした。

歌や演技の成長と共に、人間的成長も見せてくれるアイドルのありがたさを感じた次第です。シゲアキくんは光だな!と改めて思いました。シゲがこの世にいてくれてよかったぁ~。

 

で、わたしこれを書きながらシゲがゲストで出た回の『よつば銀行』*2を見てるのですが、シゲはIT社長役、そしてその会社の専務役が、この『トラブルマン』に出ている中山祐一朗さんなんですよね。縁を感じます。10年たって社長になったシゲは相変わらず、人々の為に情熱をもって生きる役が似合います。落ち着きと優しさを表し、10年前よりさらに美しくなった顔と共に。

 

成長の仕方が素敵。これからもどんどん素敵に変わっていくシゲアキ君を見てるのが楽しい。シゲいつもありがとう!

 

トラブルマン』は一回につき約30分。かける12で6時間。一気にみることも可能だし、一気にみたくなる作品です。映画的な脚本も演技もいい、そしてシゲが素晴らしい。まだ見てないかたにおすすめしたいです!

この週末、わたしはLIVE LIVE LIVEも見よっと。『トラブルマン』後のNEWSのコンサート、この撮影を経て成長したシゲを感じながら♡

 

*1:手越君主演の『疾走』(2005年)も手掛け、ほかにも代表作多数。

*2:よつば銀行 原島浩美がモノ申す!~この女に賭けろ~(テレビ東京 2019年)